シリーズ『不登校過去最多の今』5

5. 不登校に関して多く寄せられる相談

 不登校と一口に言っても、その背景にある事情は、お子さん一人ひとり異なります。抱えている悩みや困難も様々で、解決への道筋も一つではありません。ここでは、不登校に関してよく寄せられる相談の傾向をいくつか紹介し、それぞれに対し、実りの森ではどのようなサポートを提供できるのか、その概要を解説します。

5-1. 不登校の悩みは一人ひとり違うからこそ、個別対応が大切

「学校に行きたくない」という言葉の裏には、友達との関係で傷ついた経験、勉強についていけない焦り、漠然とした将来への不安、あるいは家庭環境の変化など、様々な要因が隠されていることがあります。
不登校をより良い方向に改善していくには、画一的な対応ではなく、お子さん一人ひとりの状況に合わせた、きめ細やかなサポートが不可欠です。実りの森では、豊富な経験を持つ専門家が、お子さんとご家族、そして学校の状況を丁寧に把握し、最適な支援策を一緒に探していきます。

5-2. 多く寄せられるご相談と、実りの森のサポート例

 以下に紹介するものは、あくまでも「多く寄せられるご相談」の例であり、すべての不登校がこれらのケースに当てはまるわけではありません。また、実りの森のサポート内容は、個別の状況によって異なります。

5-2-1.成長途中のゆらぎ(例:ホルモンバランスの乱れ/自己像の崩壊/自信喪失/情緒不安定)

 10歳頃、子どもは前思春期に入り、徐々にホルモンバランスが変化していきます。
 前思春期から思春期になると、子どもも、自分がどんな人間なのか自己像を描き始めます。周りが見えるようになることで、人と自分を比較し、自信を失ったり、自己像と現実のはざまで悩むようになったり、心のバランスを崩しやすくなります。
 最近は気象の変化も大きく、自律神経が疲れやすくなっているため、子どもの心身にも影響が出ています。

 実りの森では、お子さんの心身の状態を適切にアセスメントし、これから先のロードマップをお子さん自身と、そして、保護者さまと共有します。
 お子さんも、保護者さまも、何が起きているのか分からないことで不安が強まり、出口がないような焦りの感情に飲み込まれてしまうことがあります。

 ロードマップによって、今、どんなケアが必要なのか、どのくらいの期間で、どんな様子の変化が見られそうなのかを共有できると、お子さんにも保護者さまにも安心感が生まれます。
 不登校から動き出すためには、その安心感が大切です。

 後は、そのロードマップを確かに進んで行けるよう、実りの森のスタッフが、お子さま、保護者さまの杖となり、状況の改善まで共に歩んでいきます。
 ホルモンバランスや自律神経の過度な乱れが見られる場合は、医療機関のご紹介なども行います。

 以下に示すのは、一般的な対応のステップであり、必ずしもこの通りに進むわけではありません。

 1.お子さんの心身の状態を詳しく把握します(心理検査、生育歴の確認など)。
 2.今後の見通しとケアの方針をお子さん、保護者さまと共有します。
 3.お子さん、保護者さま、それぞれに必要なカウンセリングを行います。
 4.定期的な面談を通じて、状況の変化に合わせたサポートを提供します。
 5.必要に応じて、専門の医療機関をご紹介します。

5-2-2. 学校に行きたがらない(例:友人関係の悩みのケース)

 小学校高学年や中学生に多く見られる傾向です。クラスメイトとの行き違いや、いじめ、仲間外れなどがきっかけで、学校に行きたがらなくなることがあります。朝になると、「お腹が痛い」「頭が痛い」と体調不良を訴えることもあります。

 実りの森では、まずはお子さんと保護者さまから、詳しい状況を伺います。臨床心理士・公認心理師などの専門家が、カウンセリングを通じて、お子さんの気持ちに寄り添い、安心して話せる場を提供することを大切にしています。

 状況に応じて、心理アセスメント(心理検査)を行い、お子さんの心の状態や発達の特性を把握することも可能です。これにより、不登校の背景にある問題をより深く理解し、適切なサポートにつなげることができます。
 保護者さまへのサポートも重視しています。子育てに関する悩みや不安を解消するためのカウンセリングや、家庭での対応方法に関するご相談に応じています。

 学校との連携も、ご希望に応じて行います。担任やスクールカウンセラーと連絡を取り、情報共有や連携をしながら、学校復帰を目指しているお子さんに関しては、お子さんの学校復帰が円滑に進む体制を保護者・学校と話し合い、整えていきます。
以下、一般的な対応のステップです。

 1.お子さんの気持ちを受け止め、安心できる居場所を提供する。
 2.友人関係の悩みの原因を探り、解決策を一緒に考える。
 3.必要に応じて、学校と協力し、クラスでの関係修復をサポートする。
 4.少しずつ学校に慣れていけるように、段階的な目標を設定する。
 5.保護者と連携し、家庭でのサポート体制を整える。

5-2-3. 昼夜逆転、生活リズムの乱れ(例:ゲーム・ネット依存のケース)

 中学生や高校生に多く見られる傾向です。オンラインゲームやSNSなどに熱中し、昼夜逆転の生活を送るようになることがあります。学校には全く行かず、部屋に引きこもりがちになることもあります。

 実りの森では、まず保護者さまからのご相談を丁寧にお伺いします。ゲームやインターネットの使用状況、成育歴、生活リズム、家庭環境など、詳細な情報をお聞きすることで、ご本人の心理状態や背景、そして改善の道筋を探ります。

 保護者さまとのカウンセリングでは、親子関係や家庭環境について話し合うことを大切にしています。保護者さまの悩みや不安に寄り添い、共に解決策を模索します。
 ご本人の同意が得られれば、オンラインや訪問での面談も検討します。
 状況に応じて、心理アセスメント(心理検査)を行い、ゲーム依存の背景にある心理的な問題を探ることも可能です。

 以下、一般的な対応の例です。

 1.保護者との協力体制を築き、ご本人に達成可能な「家庭内でのルール作り」をサポートする。
 2.ご本人に適した「生活リズムを整えるための具体的な方法」を提案する。
 3.ゲームやインターネット以外の楽しみを見つけるためのサポートをする。
 4.必要に応じて、専門機関(医療機関、カウンセリング施設など)と連携する。
 5.少しずつ学校やご本人が居場所と思える場とのつながりを持てるように、段階的な目標を設定する。

5-2-4. 発達障害の疑い

 授業中に落ち着きがない、忘れ物が多い、友達とのコミュニケーションがうまくいかないなど、発達障害の特性が、不登校の背景にある場合があります。

 実りの森では、まず保護者さまから、お子さんの生育歴や家庭環境、学校での様子などを詳しくお伺いします。
 ご希望に応じて、WISC-VやWAIS-IVなどの発達検査を実施し、お子さんの知的能力や発達の特性を客観的に評価することが可能です。

 検査結果に基づいて、お子さんの得意なこと、苦手なこと、支援が必要なことなどを明確にし、保護者さまに詳しく説明いたします。
 必要に応じて、専門医療機関(児童精神科医など)をご紹介することも可能です。
 保護者さまへのサポートとしては、カウンセリングや、家庭での具体的な対応方法に関するご相談に応じています。

 学校との連携も、ご希望に応じて行います。担任や特別支援教育コーディネーターと連絡を取り、情報共有や連携をしながら、お子さんをサポートします。

 以下、一般的な対応の例です。

 1.お子さんの特性を理解する。
 2.家庭での対応方法を工夫する。
 3.学校と協力し、学習環境や支援方法を調整する。
 4.必要に応じて、専門機関(医療機関、療育機関など)と連携する。

5-2-5. 家族関係の悩み

 親子関係の悪化や、家庭内の不和などが、不登校の背景にある場合があります。
 実りの森では、まず保護者さまから、詳しい状況を伺います。家族関係の悩み、やむにやまれない家庭環境、親子間のコミュニケーションで感じている難しさなど、詳細な情報をお聞きすることで、手当を必要としている部分がどこかを探ります。

 ご希望に応じて、家族カウンセリングを提供することが可能です。保護者さまとお子さん同席、あるいは、それぞれと個別に面談を行い、互いの気持ちや考えを理解する機会を設けることを大切にしています。
 状況に応じて、コミュニケーションの方法を改善するためのアドバイスや、関係修復のためのサポートを行います。
 以下に示すのは、一般的な対応の例であり、必ずしもこの通りに進むわけではありません。

 1.家族それぞれの気持ちを受け止め、安心して話せる場を提供する。
 2.互いの立場や考え方を理解するためのコミュニケーション方法を練習する。
 3.家庭内でのルールや役割分担について話し合う。
 4.少しずつ関係を修復し、安心して過ごせる家庭環境を整える。

5-2-6. 進路、将来への不安

 中学校3年生や高校生など、進路選択の時期が近づくと、将来への不安から、不登校になることがあります。また、不登校の期間が長引くにつれて、進路への不安が大きくなることもあります。

 実りの森では、まずご本人と保護者さまから、現在の状況や悩み、将来への希望などを詳しくお伺いします。
 ご希望に応じて、キャリアに関する相談も可能です。本人の興味や関心、適性などを把握し、将来の進路について一緒に考えることを大切にしています。

 さまざまな職業や進路について情報提供を行い、自己理解を深めるためのサポートを行います。
 状況に応じて、自己分析ワークや適性検査などを実施することも可能です。
 保護者さまには、お子さんの進路選択をサポートするためのアドバイスや、進路に関する情報提供を行っています。

 以下に示すのは、一般的な対応の例です。

 1.本人の興味や関心、得意なこと、苦手なことなどを整理する。
 2.さまざまな職業や進路について情報を集める。
 3.学校見学や体験入学などに参加する。
 4.将来の目標を設定し、その目標を達成するために必要な進路を選択する。
 5.保護者や学校の先生と協力し、進路実現に向けて準備を進める。

5-3. まとめ:一人ひとりに合った解決策を見つけよう

 繰り返しになりますが、不登校の悩みは、一人ひとり異なります。そして、解決策も一つではありません。
実りの森は、お子さんとご家族の状況を丁寧に把握し、心理学の専門知識と豊富な経験に基づいて、最適なサポートを提供します。

「どこに相談すればいいのかわからない」「どんなサポートが受けられるのか知りたい」

そんな方は、ぜひ一度、実りの森にご相談ください。私たちと一緒に、あなたに合った解決策を見つけ、お子さんの笑顔を取り戻しましょう。

6. 不登校の保護者さまに伝えたいこと(心構え、対応方法など)へ続く…

文字数がオーバーしてしまいまいしたので、後編に続きます。
後編では、不登校の保護者さまにお伝えしたいこと、お話のまとめをお話させていただきます。
「不登校」過去最多の今、こころの専門家と解決へ 後編

実りの森は、心理士による質の高い「心のメンテナンス」が日常になる社会を目指して活動しています。
心のメンテナンスによって、生産性やモチベーション、幸福感がUPします。
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