6.保護者さま&すべての大人の皆さまへ伝えたいこと その1

さて、前回からの続きになります。
これまで、相談先の選び方や、実りの森に多く寄せられるご相談内容など、お話させていただきました。
ここからは、保護者の皆さまにお伝えしたいことをお話させていただきます。
保護者さまに向けた内容ではありますが、すべての大人たちが、社会全体で子ども・家庭を支える土台を作っていけたらと願っております。子育ては社会の根幹です。多くの方に、不登校についても考える機会になりましたら幸いです。

6. 不登校の保護者さまに伝えたいこと(心の持ちよう、対応方法など)
お子さまが不登校になると、保護者さまは、様々な不安や悩みを抱えることが多くなります。
「どうして学校に行ってくれないのだろう…」
「このままでは、子どもの将来はどうなってしまうのか…」
「仕事をやめることも必要なのだろうか…」
「あのとき、もし、ああしていたならどうだったのだろう…」
と、時に、ご自分を責めたり、途方に暮れたりしてしまうこともあるかもしれません。
ですが、まず知っておいていただきたいのは、不登校は、お子さまからの「SOSサイン」であり、様々な要因が複雑に絡み合って起こるということです。保護者さまのせいではありませんし、将来が閉ざされることもありません。
この章では、不登校のお子さんを持つ保護者さまが、どのように子どもと向き合い、サポートしていくと明るい道が開けるのか、心の持ちようや対応方法について解説します。
ただ、繰り返しになりますが、100人いれば100通りのケアの方法があります。あくまでも、ここに上げる解説も一般的なお話として受け止めていただけたらと思います。

6-1. 保護者さま自身のケア:ご自分を大切にすることが、子どもを支える力になる
不登校のお子さまを支えるためには、まず、保護者さまご自身が心身ともに健康であることが大切です。
子どもの将来への不安、学校との関係、時として周囲の目など、さまざまな悩みやストレスを抱えていらっしゃるかもしれません。
そのため、以下のことを意識して過ごしていただけたらと思います。
🌱相談できる相手を見つける:
家族、友人、親の会、カウンセラーなど、信頼できる人に相談しましょう。一人で抱え込まず、誰かに話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。
🌱ストレス解消、リフレッシュ:
趣味や運動など、ご自分なりのストレス解消法を見つけ、リフレッシュする時間を作りましょう。
保護者さまご自身が生き生きと過ごされている姿が、お子さまにとっての「モデリング」になります。
お子さまの中には「学校に行っていないのに楽しんではいけない…」と思い込み、心の回復を遅らせてしまうことが多くあります。
生きることは、たくさんの痛みがあるけれど、たくさんの喜びもある…お子さまが、その「たくさんの喜び」に手を伸ばせるよう、まずは、保護者さまが心身を休め、楽しいことや喜びを感じることを生活に取り入れることが大切です。
🌱自分を責めない、完璧を求めない:
不登校は、保護者さまのせいではありません。自分を責めたり、完璧を求めたりせず、「できることを、できる範囲で」という気持ちで、お子さまと向き合いましょう。
ベストを目指すよりも、ベターを積み重ねる方が小さな達成感を積み重ねることができ、急がば回れでお子さまに良い反応が見られることが多いです。

6-2. 不登校は親のせいではない:ご自分を責めない/抱え込まない
不登校のお子さまを持つ保護者さまの中には、
「あの時、ああするべきだったのではないか」
「育て方が、どこか間違えたのではないか」
と、自分を責めてしまう方もいらっしゃいます。
ですが、不登校は、家庭環境が一因であるときもありますが、それだけが原因であることは、長く数多くのケースを見ていても、まず、あり得ません。
成長途中の揺らぎ、学校での人間関係、学習のつまずき、発達の特性、遠い親族や家族の影響、社会全体の変化など、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こるのです。
ですから、もし、ご自分を責めているとしたら、まずはご自分を責めることをやめましょう。保護者さまの罪悪感が、子どもの足を止めてしまうこともあるのです。
ご自分を責めることはやめ、そして、一人で抱え込まず、誰かに相談することが大切です。
なぜならば、お子さまに必要なケアは多方面に及んでいる可能性が高いからです。みんなでお子さんを支え、お子さまとご家族の世界を狭めないようにしましょう。
元々、人は「群れ」で子育てをしてきました。核家族で子育てをする環境は、むしろ不自然なのです。たくさんの人に、子育てに関わってもらいましょう。

6-3. 子どもの気持ちを受け止める:不登校の背景にあるSOSサインに耳を傾ける
不登校のお子さまは、
「学校に行きたくない」
「学校に行けない」
という気持ちを、言葉や態度で表現しています。
その背景には、言葉ではうまく表現できない、さまざまな感情が隠されています。
例えば、
・友達とうまくいかないことへの不安
・先生に叱られることへの恐怖(これは、自分ではなく、他の子が叱られている時にも恐怖を感じていたりします)
・授業ペースや勉強についていけないことへの焦り
・将来への漠然とした不安
・音や光など、強すぎる刺激にさらされる疲労感
・自分はダメな人間だという自己否定感・自尊心の低下
・誰にも理解してもらえないという孤独感
など、子どもたちは、様々な心の痛みを抱えています。
その痛みが理解され、手当されてこそ、子どもは外の世界に向かって歩き始められます。
周囲の大人は、まず、お子さまの「学校に行きたくない」という気持ちを否定せず、理解するために心の声に耳を傾けることが大切です。
「どうして行かないの?」
「みんな行っているのに」
などの行きたくない気持ちを否定するメッセージではなく、
「何かあったかな?」
「今、つらいんだね…」
「少しずつでいいから、今、思っていること、聴かせてくれる?」
と、優しく声をかけ、子どもが自分の思いを言葉にできる雰囲気を作りましょう。
子どもの話を聴くときは、途中で口を挟んだり、アドバイスしたりせず、最後までじっくりと聴くことが大切です。
ときに、言葉は無力です。何か伝えようとするよりも、そっと背中をさすってあげる方が、ねぎらいの気持ちが伝わることもあります。なにがあっても、あなたの味方…ということが伝わるだけで、お子さまの気持ちは軽く強くなります。
長くなりましたので、続きは次回…。
今日はとても静かな夜です。
どなたにとっても、穏やかな夜でありますよう心よりお祈りしております。
実りの森🌳 西野 薫